私がOpenClawを使って分かった画期的な点と使うのをやめた理由
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私がOpenClawを使って分かった画期的な点と使うのをやめた理由
サラリーマンの私にとって、通勤電車の中でスマホ一つで「昨日の米株の値動きと関連ニュースについてまとめて」「新着のニュースレターやメルマガの中から興味ありそうなものをピックアップして要約して」「○○について調査して、結果をまとめてNotionに追記して」とDiscordで指示を出せるのは本当に便利でした。(しかもローカル環境なので、出力のmarkdownファイルが残るのもうれしい)
でも、約2週間本気で使い倒した結果、UXとして画期的ではあるけど自分はもう使わないと結論づけました。
この記事では、実際に使って便利に思った点と、結局やめた理由を正直に書きます。
OpenClawとは? なぜ一気に流行ったのか
OpenClaw(旧Clawdbot / Moltbot)は、自分のPCに常駐するオープンソースのAIエージェントです。
ChatGPTやClaudeのように「聞かれたら答える」のではなく、自分から動き出すのが最大の特徴。
WhatsApp、Telegram、Slack、Discord、iMessageなど、普段使っているチャットアプリからそのまま呼び出せて、メール送信、カレンダー管理、ブラウザ操作、ファイル整理までやってくれます。
実際に使って分かった「画期的な点」
1. 24時間365日、PCに常駐してチャットで呼び出せる
今までは「AIに仕事を任せる」といっても、自分でブラウザ開いてプロンプト入力するしかありませんでした。
OpenClawはPCの電源が入っていれば常に待機状態です。時間のかかるタスクでも休憩中にチャットで指示を出して、帰宅中に確認する。帰宅中にまた指示を出して、帰宅後に結果を確認する。みたいなことが可能です。
この「いつでもどこからでも指示を出せる」体験が、私物のPCに触れる時間が限られるサラリーマンの私とっては革命的でした。
2. AIが「自発的に」動き出す
従来のAIエージェントは「指示待ち」です。
でもOpenClawは**Heartbeat(ハートビート)**という仕組みで、数秒〜数分ごとに自分で「起きて」状況を確認します。
- 朝8時にニュースを要約して送ってくる
- 特定のメールが来たら自動返信
- 予定時刻にリマインダー
後述しますが、これは諸刃の剣で、便利な反面コストもかかります。
3. 外部メッセージアプリの公式サポートが充実
活発なOSSコミュニティのおかげで、ほぼすべての主要チャットアプリと簡単に連携できます。
公式でサポートされているので、設定も比較的簡単。コミュニティ製のスキルもどんどん増えています。
これも後述しますが、コミュニティ製のスキルは便利だけどセキュリティリスクが高いものも多く、使う際には注意が必要です。
4. ローカルファースト設計がハッカー心をくすぐる
すべて自分のPC内で完結できます。
ハッカーは技術の民主化とか好きなので(偏見)、これは魅力です。
GoogleDriveをケチって自宅にNASを置いている自分的にも刺さりました。
5. 「完全にセキュア」を諦めたからこそできることの多さ
外部アプリからローカルPCを直接操作できる構造は、究極の利便性を生みます。
ただし同時に「究極のバックドア」にもなり得る——これが後でネックになりました。
この利便性を支える3つの核心機能
Heartbeat(ハートビート)
「何もしなくても常に動いている」状態のトリガー。
一定間隔で起き上がって、外部メッセージの確認・予定タスクの実行・PC状況のチェックをしてくれます。これがあるからこそ本当の自律動作が可能に。SOUL(ソウル)
YAML形式の設定ファイルでAIの「人格」を完全にカスタマイズできます。- 敬語で話す秘書タイプ
- 毒舌でストレートな上司タイプ
- 「セキュリティ最優先」「返信は必ず3行以内」などの行動原則
自分好みに書き換えるだけで、完全に自分専用の執事が生まれます。 Discordでチャンネルごとに人格を変えることも可能です。
MEMORY(メモリー)
従来AIが忘れてしまう「長期記憶」を持っています。- Episodic Memory:過去の会話やミスを覚えている
- Semantic Memory:PC内のファイル構成やアプリ操作方法を学習
「昨日頼んだあの件、どうなった?」と聞くだけで文脈を理解して答えてくれます。
でも、結局使い続けるのはやめました
理由①:LLMの常時使用によるコストが予想以上
1週間で約2000円以上かかりました。隙間を見つけては使っていましたが、がっつり重たい作業をさせ続けたわけじゃないのに結構金食うなという印象です。
(定額のサブスクで使うと最悪垢BANになる可能性もあると聞いてOpenRouterでclaude 4.5を使用。) 他のユーザーを見ても、「最適化なしで週数千円〜1万円超える」事例がかなりあります(特に高性能モデルを常時使っている場合)。
加えて、個人的には深夜の何もやらせていない時間もお金が解けていくのが嫌でした。 私は開発環境を24時間稼働させる予定は続けますが、OpenClawではなくClaudeCode(or OpenCode)+自前のBashスクリプト+cronで「決まった時間にだけタスクをキック」する形に切り替えるつもりです。これならコストを大幅に圧縮できるのではと考えています。
理由②:セキュリティリスクが拭えない
構造上「完全にセキュアな状態」は存在しません。
「盗まれてもいい情報しか置かない」と割り切っても、PC自体がハッキングの踏み台にされる可能性は残ります。
公式もセキュリティガイドを充実させていますが、根本的なリスクは避けられません。
理由③:大手プレイヤーの動きが速すぎる
ここ数ヶ月でAIエージェント環境は劇的に変わりました。
- OpenClaw開発者のPeter Steinberger氏がOpenAIに参画(OpenClaw自体は独立したオープンソース財団に移行し、OpenAIが支援継続)
- Meta傘下のManus AIが、メール・カレンダーをしっかり統合した実用的なAI Agentを提供開始
今後、よりセキュアで低コスト・クラウド管理の選択肢がどんどん出てくるのは確実です。
結論:今の自分には「ちょうどいい距離感」が必要だった
OpenClawは本当に画期的で、使ってみて「AIの本当の可能性」を肌で感じました。
でも私のような普通のサラリーマンには、個人的に使うにはコストとリスクのバランスがまだ合わなかった。
今はローカル環境で動く高コスパなAIエージェントを自分で構築して、必要なときだけ動かすスタイルが自分には合っていると感じています。 がっつり個人情報を任せるのはおそらく半年もかからず出てくるであろう大手のセキュアなサービスに任せようかなと思ってます。